医療マンガ大全集

2009.2.22更新『最上の命医』を追加

 長年かけて集めたマンガのほとんどは「第二の人生」のための学費の足しに消え、今は医療マンガばかりが手元に残りました。ほとんどが医者を主人公にしたものですが、理学療法士や歯科衛生士が主人公の珍品も。でも言語聴覚士が主人公のマンガが現れるのはいつの日か…。

 

題名

作者

出版社

寸評

 

ブラックジャック

手塚治

秋田書店

『少年チャンピオン』連載

ご存知、元祖医療マンガ。今読み返しても考えさせられる内容。さすが手塚治だ。筋萎縮性側索硬化症の少年が治療法が開発されるまで人工冬眠する話があるが、本当だったらまだ眠り続けなければならない…。治療法は30年経った今でもないのだから。

 

きりひと賛歌

手塚治

小学館

『ビッグコミック』

連載

手塚治の大人向け医療マンガ。主人公が恩師の策略で犬の顔になってしまう奇病にかかる。「人間でなくなった」主人公は過酷な差別を受け、流浪し、殺人まで犯す。最後はイスラム圏とおぼしき辺境の地に安住を見出す。文庫版1巻の養老孟司センセイの解説を読むべし。筆者の下手な紹介よりずっとこの作品の本質を言い表している。

 

ここにおいでよ

作:三田武詩

画:藤城翔

芳文社

『まんがホーム』連載

理学療法士(PT)が主人公の珍品マンガ。食道発声訓練までPTがやってしまうのはご愛嬌。話もそれなりに面白かったし絵もかわいかったが、この職種って地味だからなあ。連載終了後も単行本化の噂も聞かない。

 

医候

(いそうろう)

土屋しげる

日本文芸社

大家の未亡人邸に居候する漢方医が主人公。西洋医学の盲点を衝くところがあってときに「おお!」と思うが。やはりスパーッと割り切れる世界ではないだけに、同じ著者の『喧嘩ラーメン』や『食キング』に比べると精彩を欠く。

 

ラディカル・ホスピタル

ひらのあゆ

芳文社

『まんがタイム』系列で連載中

医療4コマ。病院の雰囲気が明るく面白く描かれているが、ギリギリのところでリアリティを失っていない。「あの人も…この人も…この人でさえも…みんな医大出てるのよね…こんなアホなのにね。」というナースの言葉に爆笑。

 

エン女医あきら先生

水城まさひと

芳文社

『まんがタイム』系列で連載中

医療4コマ。ドジでかわいい女医さんが主人公。こんな女性医師がいてほしいけど、患者としては関わりたくない…?年中コケているこの人、いらない世話だが神経か筋の疾患を疑いたくなる。不自然なくらい純情な同僚の研修医とやっと付き合い始めた。おめでとう。

 

Dr.コトー診療所

山田敏貴

小学館

『ヤングサンデー』で連載

医療ミスで大学病院から離島に島流しになった天才外科医の活躍。主人公がカッコツケじゃないのが逆にカッコいい。でも、ちょっと不慮の事故が多すぎないか。古志木島(明らかに甑島)の人が年中大怪我しているような印象。もっと地味な病気で名医振りを発揮してほしい…って、マンガが売れないか。

 

女医レイカ

作:剣名無

画:嶺岸信明

リイド社

「私は心療内科の女医…」って言ってるがどう考えても精神科の女医。しかも絶滅寸前の精神分析学派。薬を出してるのを見たことがない。カウンセリングに1時間も掛けるような医者はその学派の適否に関わらず絶滅しようとしている…。ストーリーは医療マンガというより心理ミステリーといったほうがいいだろう。

 

Dr.ハーレー

宇田学

講談社

 

とうとうやっちまった!『殺医ドクター蘭丸』みたいなキワモノは別として、脇役の悪徳医師は別にして、善良な主人公が人を殺してしまうというのは『きりひと賛歌』以来であろう。作品全体に医の倫理についてのさほど深い思想も感じられないので、ネタに詰まって禁じ手を使ってしまったという感じ。作者は「国境なき医師団」で日本人最初の医師は徒手空拳の女医さん(貫戸朋子センセイ)だったことを知っているのだろうか。

 

メスよ輝け!

作:高山路爛

画:やまだ哲太

集英社

『ヤングジャンプ』で連載

作者がベテラン外科医だけあってリアリティ満点。特に悪玉が。小悪党がウジャウジャ。ところで、悪玉の子分がやらかすとんでもないミス(総胆管切断)ってご自分が経験されたミスだったんですね。大鐘センセイ。『外科医と盲腸』(岩波新書)も読みました。

 

青ひげは行く

作:高山路爛

画:やまだ哲太

集英社

『オールマン』で連載

殺人鬼のあだ名が題名になっているので驚いた。題名だけ見たら患者を次々に殺していく医者の話かと思った。今の読者は『赤ひげ』(山本周五郎の名作医療小説)なんて知らないんだからストレートに『赤ひげは行く』でよかったのでは。中身は面白かった。あいかわらず悪玉のリアリティが抜群。小心で小ずるくて。

 

おやじドクター

作:林律雄

画:及川こうじ

芳文社

淡々と、あくまでも淡々と進むストーリー。特別面白くもないが不愉快にもならない。どうしてももう一回読みたくなるわけでもないが、目に付けば読んでしまう。まあ毒にも薬にもならんというヤツか。昔の4コママンガにはそういうのが多かったが、たしか4コマ誌に連載だったはず。周りのマンガとの調和を求められたのだろう。

 

サイコドクター

作:亜樹直

画:的場健

講談社

『ヤングマガジン』で連載

『モーニング』で連載

最初は単発もの、または短期連載のはずだったのでは。前半3巻くらいまでは抜群に面白いが後半3巻はご都合主義的なストーリー展開が目立つ。特に技量が未熟で救えなかったという設定の元恋人が主人公の無謬性を強調するために殺されたことになってしまったのにはアキレタ。『モーニング』で連載再開したので、今後に期待している。

 

BJによろしく

佐藤秀峰

講談社

『モーニング』で連載中

研修医が純情であるが故に自分の立場を次第に不利なものにしていきつつあるマンガ。結局医局からはじき出されてしまうのではないかという予感。大学病院の医療従事者のノボセあがり方は、このマンガほど露骨に表に現れないだけに始末に負えない。だが、患者の生命に対する全能感は彼らだけでなく全ての医療従事者に忍び寄るもの。そのへんを今後キチンと問題にできるか?

 

Dr.汞(KOH

能條純一

講談社

 

自身がポルフィリン血症という遺伝性難病の医師が主人公。日光過敏のため雨の日にしか外出できない。この作者のキャラは陰気で嫌いなのだがこの医師だけは結構好きだ。しかしセリフが少なくて陰気なのは共通。突然メスで相手の頬を切り裂いて「汞丸組に入るんだ…」とか言いそう。

 

研修医なな子

森本梢子

集英社

抱腹絶倒。病院の待合室やナースステーションでの笑い話がそのままマンガになったような感じ。改めて医療関係者って変人が多いよな。モデルが筆者の地元である熊本大附属病院らしいのもよりリアリティとキャラへの親しみが増す。10年後に主人公が指導医と同じ苗字になっているというラストはいただけなかったが。小山田教授のモデルになった(と思われる)先生がテレビに出てたけど立派な先生じゃん。やっぱり変人だけど。

 

雫ちゃんクリニック

葉月かずお

双葉社

外見だけ見て買ったけど、エロ本でした。セックスカウンセラー雫ちゃんが自らの肉体を駆使して患者の悩みに答えていく。まあ男性患者の女医やナースへの妄想をそのままマンガにしたようなものだが、なぜ女医さんではないんだろう。女医さんでは作者のイメージが広がらなかったんだろうか。

 

白衣でポン

たかさきももこ

集英社

1回読んだときは腹を抱えて笑ったが、なんぼなんでもナースもここまでひどくはないだろう。身近にいるナースはまじめな人が多い。このマンガのキャラたちみたいに色と金のために生きているわけではない。まあマンガのネタがたまたまナースだったと思ってください。と言っておく。嫌われたら仕事がやりにくくなるからのう…。

 

心剣医

作:上西一紀

画:狩谷ゆきひで

日本文芸社

患者の面前に日本刀を突きつけて精神集中させる、というとんでもない精神科医。治療内容に関して言っていることは一応理にかなっているだけに、日本刀が一層違和感を感じさせる。でもキワモノっぽいストーリーではなくちゃんとした医療マンガなので一読の価値あり。

 

研修医

古谷健一

作:永井明

画:里見桂

集英社

描かれた時代が古いこともあるが、古典的な好青年医師の登場する古典的医療マンガ。主人公にこれといった魅力がないのがイタイが、実は医療従事者の薬物中毒、痴呆、ホスピスなど、この時代からすれば最先端の問題意識をもって描かれている。もっと長く続いてほしかったマンガ。

 

やぶ医者のつぶやき

作:森田功

画:引田真二

小学館

『ビッグコミック』で連載

つい先ごろ亡くなったベテラン医師のエッセーを漫画化。笑いの中に独特のペーソスがある。こういう良心的なお医者さんがホームドクターとしていてくれたらいいだろうな、と思う。医療ミスばかりが取りざたされる今日この頃だが、こういう地味だけれど良心的なお医者さんもたくさんいるということを知ってほしい。

 

とっても医院

作:花井寛

画:みやはら啓一

小学館

主人公が女医であるという以外にはとりたてて印象に残っていない。絵が嫌いというのもある。記憶にあるのは心電図のST波に関しての記述が変じゃないかと思ったくらいだ。

 

SAMUDr.無限谷陽

作:米山公啓

画:岩丸

集英社

大学病院に喧嘩を売り続けている米山センセイ、『医者の半熟卵』など笑えるエッセーがたくさんあるが、マンガ原作まで手がけていらっしゃるとは知らなかった。内容はこれから面白くなるところなのに、というところで突然連載終了した感じ。テーマがマンガ読者には分かりにくかったのかも。

 

本日も休診

原作:見山鯛山

作画:石川サブロウ

小学館

『ビッグコミック』で連載

昔の山村の猥雑な雰囲気が元々猥雑な絵柄の作者によって一段と猥雑に仕上げられている。しかし、一話だけ、実に美しい話がある。他の話とはまったく違った光を放っているので読めばすぐ分かるはず。筆者の下手な文章で先入観を与えたくないので、敢えてその一話のあらすじは紹介しない。

 

MF動物病院日記

たらさわみち

少年画報社

コ・メディカルが医者(この場合は獣医だが)と結ばれるのはまあ女性マンガのお約束だが、連載が長期化するにつれて取り上げられる題材もより突っ込んだものになっていて(在日外国人の問題など)、なかなか考えさせられる。でも最近本屋で見ないなあ。

 

動物のお医者さん

佐々木倫子

集英社

『週刊マーガレット』で連載

会社を辞めて浪人中にこのマンガを読み、「北大の理Vもいいなあ」と1日だけ本気で考えた。それくらい面白い。オカルトな絵柄からはかけ離れたギャグで1ページに一回は笑えるといっていい。笑わせた後下手にしんみりさせようとしないのもイイ(動物・医療系はそういうのが多い)。

 

おたんこナース

案:小林光恵

作画:佐々木倫子

小学館

『ビッグスピリッツ』で連載

ナースが原作者だけあって実体験に基づいた笑いが随所にちりばめられている。ナースには相当売れたんじゃないだろうか。だが、この作者独特の無機質な笑いにイマイチ冴えがなく、少々ウェット。筆者は『動物のお医者さん』の方が好きだ。

 

Dr.くまひげ

作:史村翔

画:ながやす巧

講談社

『ヤングマガジン』で連載

医療マンガとしてはもう古典に属するが、今読んでも一級品のヒューマンドラマだと思う。それにしても女性のバージニティに関してまだ神話があった時代なんだなあと、この面に関してだけはつくづく時代の流れを感じる。

 

999ドクター

作:バーミー双六

画:那須輝一郎

マンサン

一応は医療ものだが、B級マンガに欠かせない暴力とセックス満載。救急医療も常に犯罪絡み。読者のレベルを考えればやむをえないか。アイデアが行き詰まったり人気がなくなると仲間や主人公を殺して終了というのも御約束。でもこういうB級医療マンガが疲れずに読めるから楽といやあ楽なんだよな。

 

スポーツ医

作:寺島優

画:ちくやまきよし

集英社

たぶん日本で最初のスポーツ医学をテーマにしたマンガ。スポーツに関する非合理な「常識のウソ」が次々に暴かれる。うさぎ跳びが百害あって一利なしなんていうのはまさにコレ。でもスポーツ医学は歴史が浅いだけにあまり信じ込むと後で理論が誤りだったといって否定されかねないのでご用心。

 

スーパードクターK

真船一雄

講談社

『少年マガジン』で連載

少年マンガだけあってとっても分かりやすい勧善懲悪ストーリー。でも、ここまで「スーパー」だともう天晴れ。脇役も充実。医療マンガって医者が原作に関わるせいなのか、主役はスゴイヤツだけど、脇役が霞んでることが多いんだよね。さすがプロのエンターテイメントが原作から作っただけある。

 

Doctor K

真船一雄

講談社

『スーパードクターK』の続編。前作では主人公が不治の病であることは匂わせていたが、結局キチンとカタをつけて(主人公が死んで)終わった。このマンガとっても面白かったのであまり批判したくないのだが、血統主義だけはどうにかならないだろうか。結局志を継ぐのは親族だもんね。

 

高度救命救急センター

作:樋口雅一

画:関崎俊三

白泉社

ERを題材として始まったはずなのになぜか移植医療の話に化けていて、しかも1巻持たないで終わっている。移植医療推進派の刺客?の割には刃先が鈍いし。『メスよ輝け!』くらいのストーリーの重層性がないと世論は作れない。

 

ドクトレス

(女医)

作:鏡丈二

画:高山由妃

双葉社

『週刊アクション』で連載

この作者のストーリーは医療に限らず面白いと思えないのだが、このマンガに限っては冴えていた。だが、いくら探しても最初の1巻のみ。2巻以降は出なかったとしか思えない。いずれにしても人気が無かったことは確かだろう。同じ作者の『オペレーション』のような駄作が3巻も出ているのに。

 

MEDICAL99

作:寺山文治郎

画:たかもちげん

小学館

『ビッグコミック』で連載

『代打屋トーゴー』以来この画家の絵柄は好きになれないが、このマンガはそれを感じさせない面白さがあった。だが、1巻のみ。最近は連載されているのを見ていないから、立ち消えになったのか。医療マンガって長く続くのが少ないなあ。それもマトモなのに限ってすぐ終わって、長く続くのはミステリーもどきのヤツばかり…。

 

なみだ坂診療所

作:宇治谷順

画:向後次雄

芳文社

『週刊漫画』で連載中

『ビッグスピリッツ』の『美味しんぼ』と同じくらい周りのマンガから浮いている『なみだ坂』。これ、ほめてるんですよ。何回ジーンと来たかわからない。色と暴力を使わずにこれだけ読ませるマンガは最近少ない。この画家は好きじゃないけどこのストーリーには凄くマッチしている。最近このマンガ読みたさだけに『週刊漫画』を開くようになった。

 

ドクター反骨医

作:鏡丈二

画:根本哲也

日本文芸社

「反骨」と「反体制」は違う、ということをつくづく考えさせられるマンガ。現代医療の矛盾に関する批判が延々と続くが、主人公がそれに対して何をするわけでもない。主人公が老医師という設定だからそれも仕方ないのだろうが。まさに「老いの繰言」。でも20巻読破した私も既に気分は老人?

 

オペレーション

作:鏡丈二

画:金井たつお

集英社

『ヤングジャンプ』で連載

作者も画家も面白いと思わないコンビだが医療ものなので一応買ったが、やはりダメ。底の浅い正義感、読者の目を引こうとでっち上げられる無理な設定の事件。もう一回BJを読み直せ、という感じ。

 

生死命

(いのち)

作:稲本雅之

画:やまさき拓味

小学館

『ビッグコミック』で連載

生と死について深く考えさせられる感動的なマンガ。でも人気が無かったらしく、筆者の手元にあるのは1巻のみ。2巻は出たのだろうか。中途で連載中止になったのか。殺人事件も起きないし、地味だったもんなあ。

 

ホットDOC

作:きむらはじめ

画:加藤唯史

小学館

ソープランドが大好きな獣医が主人公。周辺に「都合のいい女」が次々登場。今ならB級マンガにしか登場しないタイプの主人公だが、まだおおらかだったんだろう。ストーリー自体は完全にネタ切れの末期を除けば面白い。

 

天使じゃないのよ

ふじたしょうこ

桐書房

昔のナースものにしてはドライでシニカルな笑いが目を引く。4コマのナースものというのもまだ珍しかった。そろそろ世の女性たちが自己陶酔から覚めて冷静に自分を見つめ始めた時期だったのだろう。『白衣でポン』まで行ってしまうとモラルハザードだが。

 

あなたに会えてよかった

作:森津純子

画:牧野和子

 

本格的にターミナル・ケアを扱ったマンガ。本当にいろいろなことを考えさせられるし、思わず涙があふれることも一再ならずある。人の生死についてこれほど正面から取り上げたマンガはほかにないのでは。もちろん売れなかったが。

 

天使のたまご

続天使のたまご

岸香里

ナーシングコミックス

看護学生の苦闘をテーマにしたマンガ。次々に派生する問題に右往左往する実習生の現実と心理がよく描かれている。精神科の現状についてはもうすこし批判的な取り扱いをしてほしい気がする。ホントにひどい病院があるから…。

 

白衣の男子

岸香里

芳文社

『まんがタイムスペシャル』で連載中

男子の看護学生が主人公というのも本邦初だろう。しかも劣等生なのがイイ。最初は「食いっぱぐれがないから」というような志望動機だった主人公が次第に成長して看護師らしくなっていく過程がとてもよく描かれている。職業ってもともと「向いてる」んじゃなくて「向いていく」んだよね。

 

明日はいい日だ

作:前田和男

画:小川たけし

道出版

徳洲会病院を経営する徳田虎雄センセイの選挙運動用に出版されたとおぼしきマンガ。センセイの政治的主張は別にして、この人こんな大変な目に遭いながら生きてきたんだな、と「感動した」(小泉首相調)。あくまで、政治的主張は別にして、ですよ。

 

生命だけは平等だ

作:前田和男

画:花岡一

道出版

『明日はいい日だ』の続編。素直に感動できた前作に比べ、話が現代に属するため今ひとつ納得行かない部分も残る。前作と画家が変わっているのも何やら『空手バカ一代』の途中画家交代を思わせてキナ臭さが漂う。

 

闇の逃亡医

作:高山紀芳

画:加藤唯史

日本文芸社

古本屋で見つけたが立ち読みしてみて面白くないので買わなかった。だが、このマンガ一部のマニアの間では名作の評価が高いらしい。

 

青木医院へ行こう!

大沢たけし

芳文社

『まんがタイム』系列で連載

『家族の日常』という4コマの中の名物医が独立して1作品を形成。毎月風邪をひいて青木医院を訪れる「お父さん」だが、青木先生から無理難題を押し付けられては病気を悪化させる。結構笑えるが、よくネタが続くもんだ。

 

ドクター秩父山

田中圭一

ぶんか社

ギャグマンガなのだが主人公の医者があまりにも酷くて読んだ後脱力感さえ漂う。どう酷いかは描写する気力もない。ギャグマンガとして特別面白いわけでもないから読まなくてもいいのでは。

 

こちら椿産婦人科

あまねかずみ

集英社

名作との評判だが、女性マンガで絵が嫌いなのと巻数が多くて予算がかかりそうなのでいまだ読んでいない。どこかの喫茶店に全巻揃えてないかしらん。

 

雀鬼医者

作:やまさき十三

画:鳴島生

リイド社

人のいい医者が実は非情なプロ雀士という設定なのだが…。筆者は読んでいるうちに顔から火が出るほど恥ずかしくなってきて最後まで読めなかった。なんで…?と思われる方は古本屋で探して読まれるべし。筆者の気持ちがわかると同時にこの本に払った代金がとても惜しく感じられるでしょう。

 

美容整形外科医山田美人

不明

不明

題名自信なし。現在手元にないので調べようとしたが、このページのマンガで唯一ネットで検索しても出てこなかった。結構面白いマンガで、現在の整形ブームを予見するような話だったのに。女性マンガの世界は厳しい!

 

医龍

乃木坂太郎

小学館:

『ビッグスペリオール』連載中

外国で修業してきた主人公が日本医療の矛盾に立ち向かうという内容。だが、主人公の意識が旧態依然のパターナリズム(師父主義)から1歩も出ていない。周囲の人間(研修医やコ・メディカル)に対する人間関係の作り方が主人公の人権意識を図らずも露呈している。周囲の人間を目的遂行の駒と考えている点で敵役の大学教授と同類の人間。主人公の人格的成長を待つ。

 

歯ッピィクリニック

椎名二葉

芳文社

『まんがタイムジャンボ』で連載中

歯科衛生士が主人公の珍品マンガ。歯科って「痛い」「汚い」「センセイの顔がマスクでちゃんと見えない」からマンガにはなりにくいんだろう。ほのぼの楽しいマンガだが、イマイチ主人公が歯科関係という特徴が生かせていない気がする。

 

傭兵女医黒樹エリカ

作:山口都志馬

画:那須輝一郎

芳文社

『別冊週刊漫画』で連載中

煽りの入った題名の割にしっかりした医療マンガ。善悪やたらとはっきりしてるのはB級マンガだから仕方ないか。女医さんのHシーンを露骨に描写したのは本邦初だと思うが、主人公の裸目当てにこのマンガのページを開く読者って皆無だと思う。暴力とセックスが欠かせないのもB級マンガの宿命か。

 

ゴッドハンド輝

山本航暉

講談社

最近評判の医療マンガだがまだ読んでいない。題名がどうもねえ…。読んだら早速報告します。ということで読んでみました、とりあえず1巻。「おもしれぇぢゃねえか!」これから全巻揃えようっと。でも、『少年マガジン』の医療モノって、何で血統主義なの?「大工の息子」や「旋盤工の息子」で手先が器用とかいうほうが筆者には好みだが。昔は家が貧乏で頭が良くても上級学校に行けない人がたくさんいたから、息子の頭のほうも環境さえ整ったら決して負けてないと思うんだが。

 

ドクにまかせろ

作:水谷龍二

画:内山まもる

日本文芸社

生真面目な人間でもふざけてカルイふりしないと「ネクラ」とか言われて嫌われたあの頃(80年代中盤から90年代前半)。作者も画家ももっとまじめな雰囲気で描きたかっただろうに。今読むと少しも面白くないギャグが痛々しい。バブル崩壊バンザイ!

 

泌尿器科医

一本気守!

高倉あつこ

秋田書店

主人公が活躍する回はさっぱり面白くない不思議なマンガ。全体としてはとっても面白いんですよ。エピソードも豊富だし。脇役は魅力的な人物ばっかりだが主人公は自己虫のイヤな餓鬼。ドクハラ(Dr.の言葉の暴力)もいいかげんにせえ!狂言回しをしているときはいいスパイスになっているのだが。『研修医なな子』の主人公を無理やり男にしてしまったために活躍させざるをえなくなった感じ。しつこいが全体としては面白いんですよ…。

 

JIN--

村上もとか

スーパージャンプ連載中

筆者の大好きな漫画家で『赤いペガサス』くらいから愛読している。現代の外科医が幕末の江戸にタイムスリップしてその時代の人々を自分なりの方法で救おうとする。とても面白いのに連載は中断してばかり。話が壮大になりすぎたのか。もうネタ切れの『龍』(はっきりいってあの時代の中国は半端なフィクションより事実の方がずっと面白い)の方を一旦中断してこちらに集中して欲しい。

 

Dr.フナキはゴキゲンナナメ!

芳井一味

 

山本周五郎の名作医療小説『赤ひげ』がモデルだと思われるギャグマンガ。『大霊界』当時の丹波哲郎がモデルの心霊医師タンバも登場。医療に関するブラックユーモアが多数登場するが、『ドクター秩父山』のような冷血・冷酷でなく、医療従事者にも笑えるマンガ。

 

監察医SAYAKA

安富高史

秋田書店

医療モノというより医療ミステリー。とにかくコマが小さすぎてセリフが多すぎる。ストーリーテーラーとしてはOKなのだろうが、漫画としてはもう少し改善の余地があるのでは。今手元にあるのは5巻だけなので全巻読んでから改めて感想を述べたい。

 

熊野先生

八樹裕

講談社

医療マンガというよりも脳死臓器移植推進のための啓発パンフレット。脳死臓器移植を推進するためには、まず賛成する医師は全員、自分の体のすみずみまで植物あるいは脳死状態で提供する旨記載したドナーカードを持ち、それを公表することだろう。完全な死体になってから医学の進歩に寄する献体ですらどれだけの医師がやっているのか。私の尊敬する解剖学の先生は御祖父も父上もご自分も三代骨格標本になるとおっしゃっていた。キレイ事を言っても自ら範を示さねば誰もついて来ない。

 

下町の太陽(ドクター)

作:矢島正雄

画:幸野たけ志

『漫画サンデー』で連載中

『人間交差点』の矢島センセイ原作とくればストーリーは面白くないはずない?新連載当初は『BJによろしく』を意識した不自然で大げさな絵が鼻についた(というかムカつくほどだった)が、やっと落ち着いて話で読ませるようになった。でも、杉山センセイ、ボンさんになっちゃうなんてあんまりやろう?(本文参照)

 

団子坂のお医者さん

一丸

『ビッグコミック』で連載

んー、相変わらずホノボノとした…。この作者、好きです。ストーリーは下町の診療所に女医さんがやってくるという…。主人公は愛人の娘で、正妻の息子である兄を慕うが嫌われているという、結構シビアな設定なのだが気分悪くならずに読めたのはこの作者ならではだろう。終わって残念。

 

獣医ドリトル

:夏緑

:ちくやまきよし

小学館

動物や獣医に対する飼い主の勝手な思い入れが次々と暴かれる。きっと獣医や動物医療関係者は溜飲を下げたのではないだろうか。しかし、プロ野球選手が「野球はオレたちのビジネスだ」と言わないのはなぜだかわかりますか?成功確率の低い仕事は結果以外に客を納得させるものがないとやっていけないからだ。バッターは打率3割で一流。人間の医者も治せる病気はせいぜい3割。獣医だと相手がしゃべれないから2割というところだろう。「名医」で、だ。「獣医はビジネスだ」と言い放つこの獣医、治せる2割以外の飼い主をどう納得させるのだろう。直せなかった残り8割を胸に刻んでいる医療人は決してこんな発言はしない。筆者はこんな「ドクハラ」獣医は真っ平ゴメンだ。

 

Dr.ノグチ

むつ利之

講談社

-っ。なんだなんだ。辛気臭―っ!救いようの無い貧乏。障害、出身階級、学歴による差別、無理を重ねた末の頓死。これが日本の戦前だといってしまえばそれまでなのだが。野口センセイって、有名な割にはこれといった業績がないのがイタイ。自ら犠牲になった黄熱病にしたって彼の方法では100年経っても病原体は発見できないし。千円札になってなんとか成仏してください。

ひだまりの樹

手塚治

小学館

手塚治の先祖である蘭学医が主人公の一人。幕末という時代背景もあって、もう一人の主人公である青年剣士の存在がどんどん大きくなっていくが、医学的な話も随所に登場するから、「半分医療モノ」というところか。江戸時代の話だから作者の医療知識の古さもちっとも気にならない。実在の人物もストーリーに違和感なく溶け込んでいる。主人公が佐幕派である以上ラストがせつなくなるのも仕方ないか…。でも、せつないなあ。

涙を拭いて

:剣名 舞

:三浦みつる

文藝春秋

『かぼちゃワイン』の頃から大柄グラマーな女の子を描かせたら抜群の画家。はやらない街の診療所に転がり込んできた明るくて面倒見のいいナースには自分の患者を安楽死させたのではという疑惑があった…。結構深刻なテーマなのにズーンとならないのは着替えやシャワーなどの読者サービスのためか。久しぶりに懐かしい人に会ったようで嬉しかった。頑張って。

天医無縫

:伊月慶悟

:地引かずや

日本文芸社

また米国帰りの医者が日本の医療を告発かい…。医学賞のトロフィーで自分を権威付ける悪役を笑っているが、西洋人のノーベル賞受賞者に誉められることで主人公を権威付けるのと、どこが違うのか。顔を見ただけで善玉と悪玉の区別がつく画風もたまらない。まるで歌舞伎の隈取だ。別に指導的な医者が悪人だからいろんな矛盾が出てきているわけじゃないんだが。B級通り越してC級マンガだ。ヘンな先入観やコンプレックスは捨てて、もう少し医療のことをちゃんと勉強してください。

ドクタープリンセス

荻野真弓

竹書房

男性患者憧れの美人でセクシーな女医は実は大酒のみで「片付けられない女」。かつマッドサイエンチストの一面も。手術が大好きで予定が入るとメスを砥石で研ぎだす女医や、被害者になるために生まれてきたような研修医と、脇役もチャーミング。ネタが切れないようにしっかり取材しつつ長期連載を狙ってほしい。

IWAMARU

玉井雪雄

小学館

ストーリーは面白い。もっと続いてほしかったマンガだが、今ひとつ人気が出なかったのは主人公の容姿か?ジョン・レノンを意識しすぎ。団塊の世代以外にはJ.L..って音楽は別にして外見はそうとうウサン臭い。子供の頃レノンが暗殺されたことを知って、「やっぱりなあ、ヤバイ奴と関わりがあったんだろうなあ」と思った覚えがあるくらいだから。

サイコドクター楷恭介

作:亜樹直

画:オキモト・シュウ

講談社

『サイコドクター』の続編。ご都合主義と猟奇趣味が目立った前作の後半よりずっとストーリーが練れていて面白い。人気があるかは知らんが。個人的には血なまぐさくなりそうな妹編を早く終わらせて、地味でもいいから心理学の粋を凝らした作品を生み出してほしい。と、思っていたら、妹編が終わったら連載も終了かい!もうひと頑張り、待ってるぞ!

小早川伸木の恋

柴門ふみ

小学館

「恋愛の神様」柴門センセイも時流に乗って医療マンガに進出ですか…。主人公の奥さん、怖いよなあ(本編参照)。モデルがいるんだろうか。この人のマンガって全部モデルがいそうで怖い。同性の目が女をエグルよなあ。権力や金持ってる男には若干点数が甘いのは気になるが。戦争大好き権力大好きのダンナ(『島耕作』の作者)の影響かしら。でも読み始めたら目をそらさせないマンガです。

ザ・レジデント

作:高山路爛

画:星野ちあき

集英社

「メスよ輝け!」と「青ひげは行く」の間に存在した過渡期の作品。医療ミスや医師の面子主義、病院の利益優先など、いろんな問題が提起されるのだが、何だかうやむやのままに次の話題になっていく。1巻しかないようだが後は出なかったのか?

けだものドクター毒島

作:横溝邦彦

画:桑澤篤夫

芳文社

けだものを癒すドクターが同時に女性に対して「ケダモノ」であるという設定。作者はきっと動物の性に対して現代人の性が女性上位すぎるという不満があるのだろう。一話一話のオチが高慢な女性クライアントを主人公が「懲らしめる」という定型なのはその表れか。でも、動物だって種別によって性の形は色々なんだが。歪んだマチズムがせっかくの面白いストーリーをぶち壊しにしている。

臨床心理士聖徳太一

作:香川まさひと

画:松村陽子

集英社

筆者が今までに読んだ「心理モノ」の中では一番面白いマンガだった。ミステリーもどきじゃないし。でも、このジャンルって元々ミステリーもどきなのが本道なんだろうか。わずか3巻で終了。作者はまだまだネタを持っていたような気がするのだが。

われ無医村に生きる

河合英則

講談社

1年間の約束で北海道の無医村に派遣された医師が、70歳になるまで僻地医療に献身することになる軌跡を描く。目汁鼻汁モノでした…。それにこの医師のお父さんがエライ!自分の医院を継いでほしかっただろうに…。バカ息子に集金システムと化した病院を継がせるバカ親に爪の垢を飲ませたい。

太陽の仲間たちよ

三枝義浩

講談社

障害者スポーツの普及に一生を捧げ、若くして亡くなった医師の物語。これも涙無しには…。同時収録の「きみの思いを声にして!」は遷延性意識障害の患者さんのリハに重要なヒントを与えてくれる。PT,OT,STも是非読むべし。詳細は『EBナーシング』という雑誌に特集があるのでネットで検索してください。

Ns.あおい

こしのりょう

講談社

「理想の医療」というものがある。自分の身内が「理想の医療」を受けられたらどれほどうれしいか…。それは誰だってそうだろう。これからも、あなたとっての「理想の医療」がどういうものか、私たちに教え続けてください。でも、自分のことも振り返ってください。Kしのりょうさんの漫画は理想の漫画ですか?K談社は理想の出版物を作っていますか?自分たちの生活のために読者を犠牲にしていませんか?

女監察医-解剖室の天使-

作:八田 朗

画:井出智香恵

芳文社

うっかりモノを食べながら読んだのが間違いだった。吐きそうになった。グロい。ここまでリアルに猟奇殺人の死体を描く必要があるのだろうか。作者または画家に精神的な問題から来る執拗さを感じる。そういうのが好きな人だけどうぞ。

ツインズナース

後野まつり

芳文社

双子のナースが活躍する4コママンガ。ギャグそのものはまあまあ面白いのだが…。なぜに医療モノ?なぜか医療人の心意気みたいなものが伝わってこない。医療人って、いろいろ自虐的に言っても、やっぱり熱くて(暑苦しくて)親切(お節介)なんだよね。このマンガの登場人物にはそれが感じられないからジョークがブラックになったときに医療人には笑えない。

アフガニスタンで起こったこと

三枝義浩

講談社

アフガンのために尽くす中村哲医師の奮闘を描いた感動マンガ。しかし、戦場で働く医療人は悔しいだろうなあ。自分が必死の治療でやっと救った命が簡単になくなってしまうのだから。それでもあきらめない貴方を本当に尊敬します。同時収録はイラクの劣化ウラン弾をとりあげた『汚れた弾丸』。

国境を越える医師イコマ

高野洋

集英社

日本人は「なんぼなんでも医者には手を出さんだろう」と漠然と思っているが、戦争や内戦では医療従事者も攻撃の対象となりうる。そんなときにどうすればいいのか、という問いのあるマンガ。答えは少々安っぽいヒロイズムに流れている気がするが、問いそのものは重い。

最上の命医

取材・原作:入江謙三

画:橋口たかし

小学館

ネタバレが異常に早い(これは読者のストレス耐性が下がってきていることに関係があるのだろう)のを除けば面白い。細野不二彦(『ギャラリーフェイク』など)の弟子?画風が似ているし、病弱でオタクな主人公、キュートでお転婆なヒロイン、眼の細い悪役、実はイイ奴のライバルなど、設定もそっくり。ただし、この漫画で画期的なのはヒロインの性格。こんなアホな女医は日本医療漫画史上初。オタク系(医者を含む)の人って割と女性に幻想があって医療漫画の女医はどこか女神性を帯びているのだが。どうせならちょっとマッドな相棒の医者も女医という設定だったら医療漫画のイマイチ魅力に乏しい女医像(『研修医なな子』除く)を革命的に変えられたのに。

 

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